籠のなかの花嫁
その後、倉庫から外に出た美羽のもとに梨奈がかけよってきた。



『あたしだけ逃げてごめんねぇ!!』



涙を流しながら謝る梨奈。



『梨奈に何もなくてよかった。ずっと気にしてたんだ』



心の片隅で気掛かりだった梨奈が無事で美羽は胸を撫で下ろした。




それから話を聞くと、美羽が連れていかれた後に、梨奈はすぐに警察に連絡をしたらしい。


ところがどう言っても信じてくれず、そこで晴太に頼もうと考え、会社に乗り込み晴太に会ったという。







「だけど、いつもはこの時間まだ仕事中ですよね?」


諸々の事が済み、ようやく家に帰ってきた二人はソファに座り一息ついていた。



「あぁ。だが、言ってただろ?今日は早く帰ってこいって。だから大急ぎで仕事を終わらせて、まぁあとは他の人に頼んでも問題ない範囲だったんだ」


「そうだったんですか。それなのに、こんなことになって・・・」


「もう気にするな。終わったことだし、俺は美羽が無事ならそれでよかったんだ」


「はい・・・。だけどせっかくの大切な日が台無しに」




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