籠のなかの花嫁
・─晴太Side─・


美羽に言われて目を開けばそこには、驚く光景が広がっていた。




「“晴太さんお誕生日おめでとう”・・・・・・」




フルーツがたくさん乗った生クリームケーキにあるプレートには、そう書いてあった。



「晴太さん、本当に自分の誕生日忘れてたんですね」


「・・・・・・・・・・・」




クスッと笑う美羽。


俺は、この状況さえも上手く頭で整理できないでいた。



「ごめん。ビックリしすぎて頭がついていかねぇ。・・・まさか、美羽が俺の誕生日を祝ってくれるなんて思わなかったから」


「あたしも祝うつもりはありませんでした」


「・・・・・・・・・・・・・・・・」




人がせっかく感動してるのに、この女子高生はそれを打ち壊したいらしい。




「そんなに睨まないでください。事実なんですから仕方ありません」


「お前なぁ・・・。じゃぁ何で」


「それは、友人が教えてくれたからです」


「友人て、梨奈ちゃん?」




美羽はコクリと頷いた。




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