籠のなかの花嫁
俺は、不思議に思った。



もちろん、美羽がくれるプレゼントなら何でも嬉しい。



きっと選ぶときも、梨奈ちゃんの時のように悩んでくれたんだろうと思えば尚更。



しかし、なぜこれなのか・・・。



何が決め手になったのか知りたかった。



そう考えて首を傾げていると



「どうしてこれにしたか不思議ですか?」



美羽は俺の心が読めるのかそう言った。



「あぁ・・・」


「これは、あの時の思い出を思い出して決めました」

「思い出?」


「はい。まだ同棲を始めて間もない頃に一度、海岸に連れていってくれましたよね?その時の星が、私はすごく印象に残っていたんです」



懐かしむように話す美羽。



あの時の記憶を、良い思い出として残してくれてたんだな。



あの日始めてお前の笑顔が見れて俺がどれだけ嬉しかったか、お前は知らないんだろうな。




「そうか・・・大切にするよ。今度二人でゆっくり見てみような。それから、もう一度あそこにも行こう。冬の夜空も見せてやりたいから・・・」



今度は恋人として連れていこう。





「はい!」




笑顔で返事をする美羽を見て、俺はまた頬をゆるませた。




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