籠のなかの花嫁
ハッとして顔を上げると、さっきと変わらない優しい瞳があった。
「どうして?どうして、あたし・・・・・晴太さんにすごく酷いことしたのに」
「それは、仕方がなかったことだ。人を信頼することは難しいし怖い。・・・でも今は俺を信じてくれてるだろ?それで十分だ。今までのことは、ここに辿り着くためには必要だったんだよ」
美羽の瞳に再び溢れる涙を拭いながら、ゆっくり言い聞かせるように話す晴太。
「見合い相手を美羽に決めたのには、理由があるんだ」
「・・・どんな理由ですか?」
前にも一度聞いたことがあったが、はぐらかされてしまったままだった。
「2週間3人のことを調べて、美羽の家族が亡くなり今のあの二人にひきとられたことは知っていたんだ。憎んでいたことは最近知ったんだ。だから、普通に幸せなんだと思っていた。だが、美羽を初めて見た時わかったんだ」
“この娘(こ)は、心から笑ってない”
「この娘の笑顔を見てみたい。俺が、この娘を笑顔にしたい。そう思うようになって、気付いた頃には美羽に夢中になってたよ」
照れ臭そうに笑う晴太を、美羽は信じられない気持ちで見つめていた。
「どうして?どうして、あたし・・・・・晴太さんにすごく酷いことしたのに」
「それは、仕方がなかったことだ。人を信頼することは難しいし怖い。・・・でも今は俺を信じてくれてるだろ?それで十分だ。今までのことは、ここに辿り着くためには必要だったんだよ」
美羽の瞳に再び溢れる涙を拭いながら、ゆっくり言い聞かせるように話す晴太。
「見合い相手を美羽に決めたのには、理由があるんだ」
「・・・どんな理由ですか?」
前にも一度聞いたことがあったが、はぐらかされてしまったままだった。
「2週間3人のことを調べて、美羽の家族が亡くなり今のあの二人にひきとられたことは知っていたんだ。憎んでいたことは最近知ったんだ。だから、普通に幸せなんだと思っていた。だが、美羽を初めて見た時わかったんだ」
“この娘(こ)は、心から笑ってない”
「この娘の笑顔を見てみたい。俺が、この娘を笑顔にしたい。そう思うようになって、気付いた頃には美羽に夢中になってたよ」
照れ臭そうに笑う晴太を、美羽は信じられない気持ちで見つめていた。