籠のなかの花嫁
パーティー会場は、晴太の父、豊川財閥会長が建てたホテルで行われる。
昨日と同じく、晴太専属の運転手、西が運転する車で二人は会場へ向かう。
緊張と不安と嫌気から、美羽は夜景を見ながら黙っていた。
「・・・何かあったら、俺のとこに来い」
「え?」
「1人で解決しようとするなよ。お前には俺がいるんだからな」
反対側の窓に目を向けている晴太。
目の前の広い背中を見て、美羽は大きく一呼吸をした。
「わかりました」
そう言う美羽は、握られた手を見てまた頬を緩めるのだった。
「どうぞ、行ってらっしゃいませ」
西はドアを開け、二人を見送った。
ホテルに一歩足を踏み入れると、ロビーの豪華なシャンデリアと大きな美しい花瓶に生けられた華やかな花々が出迎えてくれた。
その華やかさはついつい足を止めてしまうほど素晴らしかった。
「素敵なホテルですね」
「親父に言ってやってくれ。喜ぶから」
「はい」
ふいに、晴太の腕が美羽の腰に回った。
「では参りましょうか」
「クス・・えぇ、エスコートしていただけますか?」
「喜んで」
二人は可笑しそうにクスクス笑いながら、再び歩きだした。
昨日と同じく、晴太専属の運転手、西が運転する車で二人は会場へ向かう。
緊張と不安と嫌気から、美羽は夜景を見ながら黙っていた。
「・・・何かあったら、俺のとこに来い」
「え?」
「1人で解決しようとするなよ。お前には俺がいるんだからな」
反対側の窓に目を向けている晴太。
目の前の広い背中を見て、美羽は大きく一呼吸をした。
「わかりました」
そう言う美羽は、握られた手を見てまた頬を緩めるのだった。
「どうぞ、行ってらっしゃいませ」
西はドアを開け、二人を見送った。
ホテルに一歩足を踏み入れると、ロビーの豪華なシャンデリアと大きな美しい花瓶に生けられた華やかな花々が出迎えてくれた。
その華やかさはついつい足を止めてしまうほど素晴らしかった。
「素敵なホテルですね」
「親父に言ってやってくれ。喜ぶから」
「はい」
ふいに、晴太の腕が美羽の腰に回った。
「では参りましょうか」
「クス・・えぇ、エスコートしていただけますか?」
「喜んで」
二人は可笑しそうにクスクス笑いながら、再び歩きだした。