籠のなかの花嫁
ホテル内のパーティー会場に迎う前に、二人は控え室に向かった。




そして扉を開くと




「やっと来たわね。主役の二人が」




部屋の奥で寛ぐ4人の男女がいた。




「お待たせしました」



晴太が美羽を伴い入ってくると、晴太の母千恵子はニヤリと笑った。




「全然連絡をしてなかったから心配してたけど、杞憂だったみたいね」


「言ったとおりだろ?こういうことには親は首を突っ込まない方が上手くいくんだよ」



晴太が美羽の腰に腕を置いているのを見た二人は、息子をからかうように見た。




「それが30歳の息子に言う言葉ですか?」



ご両親の前だと、晴太さんは割と言葉遣いが丁寧になる。



3人の会話を聞きながらそう考えていると、ふいに千恵子が美羽に話し掛けた。




「美羽さん。とても素敵なドレスね。よく似合っているわ」


「ありがとうございます。お義母様がよく行くお店だと伺いました。素敵なドレスばかりで選ぶのがとても楽しかったです」


「でしょう?あそこは他のお店とは違うわ!美羽ちゃんにも気に入ってもらえると思ったのよ」



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