籠のなかの花嫁
そして、パーティーが幕を開けた




壇上でまず晴太と美羽を紹介する晴太の父、竜郎。



会場内からは、感歎の声が上がる。



中宮は叔父の代に変わり、業界での地位は低くなってしまったが、豊川財閥は都内でも有数の財閥の一つだ。



そして何といっても、極め付けは二人の容姿。



美羽は、上品な藍色のドレスに身を包み、慎ましく美しい印象を与える。



髪は結上げるほど伸びてはいないが、美しい黒髪が藍色のドレスとマッチしている。




また、晴太も全身を黒で統一し、ネクタイは白地にシルバーやパープルで斜めに線が入っておりシンプルに決めている。



そして普段はあまり弄らない髪を今日はセットしているため、いつも一緒にいる美羽でも間近で見るとどぎまぎするほどカッコいい。



そんな二人を見て、竜郎の紹介が終わると、会場からは二人に大きな拍手が起こった。




「それでは皆様どうぞパーティーをお楽しみ下さい」



司会者の締めで、パーティーは再開されたのだった。





< 204 / 223 >

この作品をシェア

pagetop