籠のなかの花嫁
ふと、二人の視線が後ろにずれた。
「本日はおめでとうございます。君のお父様にはいつもお世話になっているよ」
寛人が笑顔で晴太に言った。
「お忙しい中起こし頂きありがとうございました。美羽さんとはお知り合いですか?」
「はい。私と美羽ちゃんのお母様がまだ結婚したての頃、習いごとで仲良くなってそれ以来家族ぐるみで付き合うようになりました」
その話は美羽も母から聞いていた。
習っていたのは料理教室。
二人とも料理をしなくても良い家に嫁いだが、夫や子どもには自分が作った料理を食べてほしいと思い、通い始めたらしい。
そこで、同じ境遇の二人が出会い意気投合したというわけだ。
「そうでしたか。今後ともよろしくお願いします」
「えぇ、こちらこそ」
「そう言えば奈々枝さん、要さんは?」
今度は晴太が眉をピクッとさせて反応を示した。
「あぁ。要なら、美羽と会いたがっていたんだが、どうやら孝太郎に止められたらしいんだ」
「孝太郎くん。要にベッタリですものね」
「あぁ。孝太郎の方が年下だから上手くいくかどうか心配だったが、それは杞憂だったらしいな」
寛人と奈々枝はおかしそうに笑った。
「本日はおめでとうございます。君のお父様にはいつもお世話になっているよ」
寛人が笑顔で晴太に言った。
「お忙しい中起こし頂きありがとうございました。美羽さんとはお知り合いですか?」
「はい。私と美羽ちゃんのお母様がまだ結婚したての頃、習いごとで仲良くなってそれ以来家族ぐるみで付き合うようになりました」
その話は美羽も母から聞いていた。
習っていたのは料理教室。
二人とも料理をしなくても良い家に嫁いだが、夫や子どもには自分が作った料理を食べてほしいと思い、通い始めたらしい。
そこで、同じ境遇の二人が出会い意気投合したというわけだ。
「そうでしたか。今後ともよろしくお願いします」
「えぇ、こちらこそ」
「そう言えば奈々枝さん、要さんは?」
今度は晴太が眉をピクッとさせて反応を示した。
「あぁ。要なら、美羽と会いたがっていたんだが、どうやら孝太郎に止められたらしいんだ」
「孝太郎くん。要にベッタリですものね」
「あぁ。孝太郎の方が年下だから上手くいくかどうか心配だったが、それは杞憂だったらしいな」
寛人と奈々枝はおかしそうに笑った。