籠のなかの花嫁
「それでは、パーティーを楽しんでいってくださいね」



美羽と晴太は、二人から離れていった。



ほぼ挨拶も終わったので、少し休憩をしようと、二人は控え室に向かった。




「さっきの要って、女か」



あ、気になってたんだ。



「そうですよ。あたしより2つ上のお姉さんで、孝太郎くんっていう年下の許婚がいるんです」


「あ、そう」




返事は短かったけど、微妙に口元が緩んだから、あたしは可笑しくて笑った。




「何だよ、美羽」


「別に?似たもの同士で良かったと思っただけです」


「似、似たもの同士?」


「はい。だって、あたしが嫉妬したみたいに晴太さんも嫉妬したでしょ?」



美羽がニヤリと笑うと、晴太はフッと肩の力を抜き美羽を抱き締めた。




「せ、晴太さん?」


「嫉妬の一つや二つ妬くだろう?美羽は俺の恋人で、婚約者なんだからな!」


「ちょっと晴太さん、声が大きいです」



不自然に大きな声で言う晴太に、美羽は慌てた。



誰かに聞かれていたら、恥ずかしいよ!!




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