籠のなかの花嫁
まただ。


いつだって、おじ様とおば様はあたしの意志を無視なさる。


まるで、あたしが人形のように。


あたしにはお姉ちゃんのような美しさはない。


でも意志はしっかりある。


人間だもの・・・・・


今まで十分おじ様とおば様の言う通りに生きてきた。



高校に入ってやっと解放されたと思ったのに。


またあたしを縛る。




見合いをしろだなんておっしゃっていたけど、どうせ結婚は既に決まっているんだろうし・・・



どんな人なのかなんてどうでもいい。



あたしは、絶対にあの二人の思い通りになんかならない。


絶対に計画を成功させる。


それだけ。




結婚だって何だって好きにすればいい。


あたしの意志なんて関係ないんだろうから。




でも、最後に泣きを見るのは



おじ様、おば様




あなた達なんだから─────









帰りの車の中、後ろに建つおじ夫婦の屋敷に向かって宣戦布告を誓った。














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