籠のなかの花嫁

｢晴太くん！あれはどういうことだ！！｣




控え室に入ると、怒りにより真っ赤になった叔父の大声が飛んだ。



それを余裕の表情で受け取る晴太。




｢言った通りの意味です。ですが、まだ美羽には結婚は早いと思いますので、来年高校を卒業後のことは、また二人で話そうと思っています｣


｢違う、そのことではない！会社のことだ！白紙に戻すことなど一言も聞いていない｣


｢ﾌﾝ 娘のことよりも、会社のことですか。まぁ本当の娘ではないのですしね｣



それには、奥歯を噛み締めるような表情になった。



だがすぐに晴太では話にならないと思ったのか、相手変えた。




｢竜郎さん。あなたはこの話をご存じで？｣


｢えぇ、全て知っています。晴太と話して私も了承しました｣


｢そんな！なぜですか？美羽を嫁がせる代わりにうちの会社と関係を結ぶという話ではなかったのですか？｣


｢いやぁ、そのはずだったのですが、息子がもう美羽さんぞっこんでしてね。もう一度最初からやり直したいと聞かないもんでして｣



ハハハと愉快そうに笑う竜郎と、隣で微笑む千恵子。