籠のなかの花嫁

反対に、高志は動揺を隠せずにうろたえ、横では顔面蒼白の瞳。



｢晴太さん･････｣



美羽は不安な顔で、晴太を見上げた。



｢安心しろ。俺とお前は一緒だ。それは変わらないからな｣



その言葉に美羽は安心したような表情になった。



その時




｢美羽！｣



高志に突然呼ばれた。



｢結婚はやめだ。こちらに戻ってきなさい！｣


｢高志叔父様･････｣


｢そ、そうよ。それに美羽はまだ未成年。結婚をするには親の同意がなければ｣


｢あぁ、それなら心配はいりません｣


｢え？｣


｢未成年の結婚は本人の同意と、一方の両親の同意があれば可能ですから。それに、あなた方は引き取っただけで戸籍上でも親子ではない。私達の結婚にあなた方は口を挟めないのですよ｣


｢そんな！！｣


｢おい美羽！今まで育ててやった恩を忘れたのか！？｣



この期に及んでまだ食い下がる高志。



晴太が言い返そうとしたが、美羽はそれを止めた。




｢私が、今まで生きてこられたのは、叔父様叔母様のお金のおかげです。あなた方に直接何かをされた記憶もないし、愛された覚えもありません｣