籠のなかの花嫁
晴太は美羽の額に口付けをすると手を美羽の腰に置いた。



美羽も晴太の肩に頭を寄せ、二人は寄り添いながら歩いていった。





互いを慈しみ、愛し。


3年の期間は、二人の絆をより深めた。




欠けてはならない存在となった。





「梨奈にもお土産を買わないと!」


「そうだな。そう言えば、順調なんだろ?」


「うん。もう臨月だって。蒼司さんも最近ソワソワしてるって言ってた、フフ」




微笑む美羽を見つめてから、晴太は空を見上げた。





リゴーン…リゴーン…────

リゴーン…───────



空に、結婚式を上げている教会から美しい白い鳩が羽ばたいて行く。





「美羽」


「なに?」


「どこへ行くときでも、俺はお前と一緒だからな」



その言葉に少し笑ってから



「当たり前でしょ!」



と、美羽は笑顔で言った。







頭上では、二羽の鳩が戯れ合いながら、空へ羽ばたいて行った─────────





















Fin





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