籠のなかの花嫁
しかし、ジメジメした日本に比べ気候が乾燥したポルトガル。



また晴れている日が多く、カラッとしているので過ごしやすいのだ。



そのおかげで、毎日のようにホテルの外で走り回る美羽。



美鶴は毎日とはいかないが、調子が良い時は美羽と一緒に元気に動き回っていた。



そんな二人に両親も満足気だった。





ある時、美鶴は美羽にこんなことを言った。



『美羽は晴れた日が似合うね』


『どうして?』



首を傾げる美羽。

美鶴は、疲れたのか、木下の木陰に行った。

美羽もその後に続いた。



『晴れの日と太陽があればいつも美羽は笑ってるもん』


『そうだね。だってはれてたらおそとであそべるから』


『あたしももっと身体が強かったら良かったのに・・・』


『だいじょうぶだよ。きっとおとなになったらなおるよ。』


『大人になったら遊べないんだよ』


『え・・・どうして?』



美鶴の言葉に美羽は眉毛を八の時にした。



『だってお仕事しなくちゃいけないでしょ』


『え〜・・・みうおしごとヤダ!』



思いっきり嫌な顔をした美羽を見て美鶴は笑うのだった。




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