籠のなかの花嫁
幼い頃の記憶がよみがえり、美羽は無意識にカーディガンを掴む手を強めていた。
「ここは、俺が一番好きな場所なんだ」
突然、晴太が口を開いた。
「毎日仕事をしていると、突然どこかに逃げ出したくなる時がある。イライラして集中出来なくなることがある。そんな時、ここを見つけた」
美羽に振り向かず、空を見上げたままの晴太に、美羽は静かに耳を傾けた。
「時間に縛られている毎日が嘘のように、ここでは時間を忘れて、ボーッと星空に見入っちまうんだよな」
クスッと笑ってふいに美羽に振り替える。
突然振り返った晴太に驚き、美羽は視線を反らした。
「いつもは、物ばかりだからな。こういうロマンチックなプレゼントもいいだろ?」
「・・・ロマンチック?」
「あぁ。ロマンチックだろ?星」
ロマンチック・・・
好きでもない人と、浜辺で星を眺めることが?
ありえない。
星を見上げたまま、何もしゃべらない美羽に苦笑して晴太は“ま、いいけどな”と呟いた。
そんな晴太に美羽はふいにこう呟いた。
「母に幼い頃、教えてもらったことがありました」
「ここは、俺が一番好きな場所なんだ」
突然、晴太が口を開いた。
「毎日仕事をしていると、突然どこかに逃げ出したくなる時がある。イライラして集中出来なくなることがある。そんな時、ここを見つけた」
美羽に振り向かず、空を見上げたままの晴太に、美羽は静かに耳を傾けた。
「時間に縛られている毎日が嘘のように、ここでは時間を忘れて、ボーッと星空に見入っちまうんだよな」
クスッと笑ってふいに美羽に振り替える。
突然振り返った晴太に驚き、美羽は視線を反らした。
「いつもは、物ばかりだからな。こういうロマンチックなプレゼントもいいだろ?」
「・・・ロマンチック?」
「あぁ。ロマンチックだろ?星」
ロマンチック・・・
好きでもない人と、浜辺で星を眺めることが?
ありえない。
星を見上げたまま、何もしゃべらない美羽に苦笑して晴太は“ま、いいけどな”と呟いた。
そんな晴太に美羽はふいにこう呟いた。
「母に幼い頃、教えてもらったことがありました」