籠のなかの花嫁
「教えてもらったこと?」


「はい。私の亡くなった祖父母は星になって暗い夜空を照らし、皆を明るくしてくれると・・・」



晴太はもう一度、星空を見上げた。



だから、だからあたしは、お母さんとお父さんとお姉ちゃんがいる星空がずっと嫌いだった。



「だから・・・ずっと星は大嫌いでした」



大嫌いだった。

皆を照らしてくれる星。

でも、話し掛けたって返してくれるわけでもない。

結局は、一人ぼっちに変わりない。

涙を誰にも見られたくなくて、部屋を暗くしても、星の光は入ってくる。

それが一層、あたしを一人ぼっちに感じさせて、辛かった。


だけど今は



「でも今日は、素直に星を綺麗だと思えました」



“ありがとうございました”



晴太は一瞬目を見開いた後、美羽に歩み寄り、抱き締めた。




美羽も驚いたが、今はジッとしていることにした。











多分ね、今日素直に星達と向き合えたのは、少なからず、あなたのお陰だと思うよ。


決してロマンチックじゃないけど何よりも価値のあるプレゼントをもらった気がする。



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