籠のなかの花嫁

{お見合い}

「ねぇ」


「ん?なに?」


「最近良い事あったでしょ?」


「え?」



昼休み、梨奈と他2人と弁当を食べているとそう聞かれた。



「え?やっぱり何かあったの?あたしも思ってたんだよね」


「あ、確かに!ここ一週間で美羽の笑った顔がやわらかくなってきたもんね!」


笑った顔が?



自分の顔に手を当ててみるも、分かる訳がなく。



口がへの字になる。



「アハハ 拗ねた拗ねた」


「自分で気付いてないんだ。って言うことは、美羽にそんな表情をさせている誰かがいるな?」



え・・・・・ヤバイ。



黙っているうちに話がよからぬ方向へ進んでいる。




「あ、あたしは一人暮らしだし、そんな人がいないのは梨奈が一番よく知ってるでしょ?」


「あら、秘密主義の中宮美羽のことですからねぇグフフ・・・」


「グフフとか、キモいよ梨奈・・・」



確かに・・・。



すかさず突っ込む友人に心のなかでは同意する。




それにしても、表情がやわらかくなるなんて、そんなにわかるものなのかな?





「アハハ、考えてる考えてる」


「あっ!もしかして、彼のおかげかなぁ?」


「え?彼って?誰々?初みみぃ!!」


「それはもちろん私の最愛のダー」



「勝手に話を作るな―――!!」


「「「・・・・・・・・・・はい」」」



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