籠のなかの花嫁
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「ただいま・・・・・美羽」
「あ、お帰りなさい」
そう言うと、晴太は最近の癖なのか、少しムッとした表情をしながら自室へ向かった。
自分は名前を言うのに対し、美羽は一向に彼の名を呼ぼうとしない。それが不満なのだ。
しかし、そんなことを美羽が気に掛けるわけもない。
ましてや、呼ぶ気などないに等しいのだ。
美羽から晴太に話し掛けることはほとんど無いうえに、声をかける時は必ず“あの”だ。
美羽にとっての晴太は、居心地は前より善くなったものの“深い関わりを持ちたくない相手”という以前と変わらないものだ。
そのため、美羽は晴太に名前で呼べと言われても
名前で呼ぶことなんてないと思うけど・・・。
と思っていたのだった。
「ただいま・・・・・美羽」
「あ、お帰りなさい」
そう言うと、晴太は最近の癖なのか、少しムッとした表情をしながら自室へ向かった。
自分は名前を言うのに対し、美羽は一向に彼の名を呼ぼうとしない。それが不満なのだ。
しかし、そんなことを美羽が気に掛けるわけもない。
ましてや、呼ぶ気などないに等しいのだ。
美羽から晴太に話し掛けることはほとんど無いうえに、声をかける時は必ず“あの”だ。
美羽にとっての晴太は、居心地は前より善くなったものの“深い関わりを持ちたくない相手”という以前と変わらないものだ。
そのため、美羽は晴太に名前で呼べと言われても
名前で呼ぶことなんてないと思うけど・・・。
と思っていたのだった。