籠のなかの花嫁
そして夕食時。



晴太はメールで話した“大事な話”の内容を口にした。




「・・・美羽」


「はい?」


「話のことだ」


「あ・・・何ですか?」



なんの気なしに聞くと、晴太は一度美羽から視線をそらした。



言いづらいことなの?


なに?



そして晴太が呟いたことは





「3日後、見合いをする」


「っ・・・・・・・・・・・・」



お見合い・・・・・・・・・・・・・・・


毎日のこの生活で、すっかり見合いの存在を忘れていた。



「同棲しているんですから、お見合いは必要ないのでは?」



お見合いなんて冗談じゃない!!



美羽はどうにかお見合いを避けられないものかと、考えたが・・・



「いや、形だけでもやりたいらしい。それに、俺の両親は、お前と会ったことないから、会いたいらしいんだ」



そんなのどうでもいいし・・・!


美羽は箸を持つ手に力を込めた。





お見合いに行けば・・・

お見合いに行けば・・・・・





美羽の脳裏には、この世で一番憎い人間二人の顔が浮かんでいた。



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