籠のなかの花嫁
勝手に花嫁候補にあげられていたことにも腹が立ったが、晴太自身が自分を選んだことには心底驚いた。



「なぜかは分からないけれど、晴太はあなたを選んだ。あなたに・・・」



“あなたに恋をしたみたい”





美羽は、頭が殴られた衝撃を受けた。




恋?

あたしに?

どうして?あり得ない。

そんなこと・・・・・



「・・・でも、どうしてあたしにそのことを?」



今日のあたしの態度を見てそんな風に思うはずがない。


上手く話してたと思ってたのに。




すると、千恵子の口からまたも驚く言葉が。




「あたしもね、勝手にお見合いさせられて結婚したの。・・・だから、あなたの気持ちが分かるのよ」



《あたしは、彼がとても優しくて愛してくれたから、上手くいったけど、晴太は不器用だから》



と、笑って話していた。



この人も、あたしと同じような結婚をしたんだ。




「あなたが、自分の気持ちを押し殺しているのも分かったわ。」



“きっとご両親のため・・・でしょ?”






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