籠のなかの花嫁
《美羽、大丈夫よ。すぐに良くなるわ》


《うん・・・お母さんごめんね》


《謝らないの。美羽が悪いわけじゃないのよ?》


《でも・・・》


《・・・それじゃぁ、お母さんの変わりに誰かに来てもらう?》


《・・・イヤだ。お母さんがいい》


《良かった。お母さん以外に変わりがいなくて》




笑ってるお母さんと、あたし・・・


ここは、あたしが生まれ育った屋敷。




あぁ、小さい時に熱を出した時の夢を見てるんだ。



そうだ。お母さんがつきっきりで看病してくれたんだっけ・・・



でもそのせいでお母さんも熱を出しちゃって、出張から帰ってきたお父さんが話を聞いて笑ってたっけ。



《美羽・・・美羽・・・・頑張って。夜は朝より辛いでしょうけど、お母さんがついてるわ》



お母さん・・・・・









「う・・・美羽・・・」



この声はお母さんじゃない。


遠くから聞こえる呼び掛けに答えるように、あたしは目を覚ました。











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