籠のなかの花嫁
「ん・・・・・・・・・・・」



目を覚ますと、横には晴太が心配そうな眼差しで美羽を見つめていた。



「大丈夫?」


「はい。いい夢を見てました」


「え、いい夢だったの?」



心配そうな表情から、眉をひそめた晴太。



「はい」


「ごめん。じゃぁ起こさない方が良かったか。てっきり悪い夢を見ているんだと・・・」



どうしてそう思ったの?



美羽が疑問に思っていると、晴太は美羽の頬に手を伸ばしながらこう言った。




「涙が零れたから・・・うなされてると思ったんだ」




されるままにされていると、澄人は美羽の涙を拭った。



久々に見た家族の夢で、無意識に流れてたのかも・・・



涙を人前で流すなんて、両親と姉が亡くなってからはなかったのに・・・



美羽が再び考え込むのを見て、澄人は水の入ったコップを美羽に渡した。




「あ、ありがとうございます」


「いや。・・・・・・気分はどうだ?」


「・・・昨日の夜よりはとても楽になりました」



体も熱くないし、頭もそこまでボーッとしてない。




もともと体力がある美羽。


幼い頃も、ただの熱だったら一晩で平熱まで下がっていた。




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