籠のなかの花嫁
何で?だって、だって・・・



美羽はガバッと布団を剥いで起き上がると、晴太に掴み掛かる勢いで話しだした。



「でもあたし、あなたからもらったプレゼントだって全部捨てたし、あなたに極力近づかないようにだってしてた。関わらないように関わらないようにって・・・」


「あぁ・・・・・・」


「なのに、どこが可愛いの?どこに、あたしを愛してくれる要素があるわけ?」



可愛いとこなんてこれぽっちもなかった。


なのに可愛いなんて意味が分からない。



混乱してる様子の美羽を見て今度は晴太がフッと笑った。



「お前が何かを隠していることを無理に聞こうとはしない。それのせいで、お前が人と深く接するのを酷く恐がっていることも分かってはいるが、何も触れない。お前が話せる時になったら話せ」


「別に恐がってなんか・・・それに、それとは関係ないでしょ?」



図星をつかれ、表情が歪む美羽。



「関係あるんだよ。俺が言いたいのは・・・」



と、そこまで言うと晴太は後ろを向いた。



「そこまでして関わらないようにしてるくせに、時々そうやって寂しい表情したり、俺のお前に対する気持ちを試したりするその態度、それにそうやって確かめようとすることが可愛いっつってんだよ」


「っ!?」




耳まで赤くしてぶっきら棒に言う晴太に、美羽は不覚にもドキッとしてしまった。



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