籠のなかの花嫁
そう言うと、梨奈はシュンとしてしまった。



「ただ、別に悪い人じゃないし・・・むしろあたしの世話をしてくれたりしてるから、感謝してるぐらいなんだ。だから、心配しないで」



きっと素直に全部話したら、その方が梨奈を心配させる。ごめんね、梨奈。




その思いが伝わったのか、梨奈は顔を上げた。



「うん、分かった。美羽がそこまで想ってる人なら、あたしも安心だし」


「ありがとう」


「うん。でも残念。せっかく美羽とそういう話し出来ると思ったのに。それに、美羽にとっては初彼になってたわけなんだから」


「アハハ、初彼なんて長い先の話だねぇ」


「え〜」



3日ぶりの学校なだけに、梨奈との会話ははずんだ。


ところがまたそこに邪魔が。



「何々、お前ら恋ばな?俺も入れて!」


「「また来た・・・・・」」



最近はちょっかいをかけてこなくなったと思っていた由良だ。




「アンタ彼女出来たって聞いてたけど?」


「はっ?ちげーよ。ちょっと優しくしてたっけ相手が勝手に盛り上がっただけ」


「どーだかねぇ」


「俺は中宮だけだからさ」



はぁ、それもいつまで続くのやら。



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