遠恋~遠回り恋愛~
あたしたちの教室は、先輩たちと教室棟が違う。渡り廊下を通るなら、あの先輩たちも移動教室。
ということは、教室に戻るときもあの渡り廊下を通って行くはずなのだ。
「どんな人なのか、確認確認♪」
美雨ににやつかれ、あたしもにやついてしまう。
授業の終わる10分前に、先生にキリがいいし終わろ!なんて言う咲の行動力には驚いたけど(笑)
――キーンコーンカーンコーン
授業が終わった。
あたしたちはダッシュで渡り廊下に向かう。
ちょうどその時、先輩のクラスの人たちが歩いてきた。
‥きたっ!
あたしたちはひそひそ話しながらゆっくりと通って行く。
“どの人?”
“左から2番目の身長高い人。”
やっぱりかっこいい。あたしこの人に一目惚れしちゃったんだ。
通り過ぎると、またにやついてしまう。
「あれは、野球部の先輩だね。」
美雨と咲が話している中、あたしはうわの空でぽけーとしてしまっていた。
「おーい、紗奈ちゃん(笑)あたし、幼なじみが野球部にいるし名前とか聞いたげるよっ♪」
咲の幼なじみとはあたしも話したこともある。
「‥お願い、していいかな?」
「オッケー!任しといて!」