龍馬、時々女子高生。
私が固まっていると、龍馬が声をかけてきた。


「サドル盗まれてるじゃん。ヒカリ、乗ってくか?」

「や、方角違くない?」


…本当は乗せて欲しかったけど、何を話していいか分からないから断った。

だけど龍馬から出た言葉は意外だった。


「何言ってんだ?近いだろ。」

「は?何で龍馬がウチの家知ってんの?」


ハテナマークいっぱいの私を見て、龍馬はイライラしながら言った。

「やっぱり覚えてないのか…一緒だったろ、小学校!」


…アレ、そうだっけ?


「んー?ごめん。覚えてないや。」


龍馬は呆れて、口をあんぐり開けたままだ。


「お前は…いいから帰るぞ。乗れ」



そんなわけで私は、偶然にも龍馬と2ケツで帰る事になってしまった。


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