龍馬、時々女子高生。
「クールでフェミニンね…それならここ見てみる?」

「うん、好きな感じ」

店先に設置されている、ウィンドウのマネキンを見ながら龍馬が頷く。

店に入り商品を眺めていると店員がやってきて、

「鏡で合わせてみます~?」

「それ、いいですよね~。私もこれ今着てるんですよぉ」

「その服って今日入荷したばっかりで~」


独特のセールストークで話しかけて来る。

龍馬は臆する事なく楽しそうにやりとりをしている。


「カワイイですよね。今迷ってたんですけど、これのグレー系の色ってあります?」


龍馬の細くて長い手足にはどんな物もよく似合った。

まるで雑誌に出てくるモデルの様で、店員も「お似合いですよー」を連発している。

龍馬があまりにも女の子らしくて笑える。

でもそれにちょっと嫉妬してる自分もいて、なんか気持ちは複雑だった。


< 77 / 102 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop