龍馬、時々女子高生。
こっそり病院を抜け出し、外へ出た私達。


「…ほっぺにあたる風がきもちいい」

「でしょ!」


私は得意気になって龍馬を廃工場に連れて行った。


「ほら、すごいでしょ!」

「うわぁーひみつきちだ!」

「ふふん」

「ヒカリちゃんは楽しいことをいっぱい知ってるね」

「えへん!楽しいことだけじゃないわよ」


調子に乗った私は、龍馬を屋上に連れて行った。


「ほら、ここがいちばんすてきなんだから!」

「うわぁー、すごくきれい」

「ふふふん」


夕暮れ時の屋上は目の前に大きな太陽を用意して、辺り一面をオレンジ色に染めあげ、私達を待っていた。


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