leicht bitter~bitter sweet続編 side 健一~
Ⅰ. der Prolog



 彼女に初めて逢ったんは、19の夏やった。

 暑さを避ける為にたまたま入ったCDショップに彼女がいた。

 実は“逢った”と言うよりか“見掛けた”んやけど。

 その店のエプロンをつけた店員の女と話していた。

 そこらへんにいる、ケバい化粧と巻き髪系の雑誌から出てきたみたいな、ただカタログコピーしただけの女たちと違って、肩越しの黒髪にナチュラルメイクで清楚な印象の彼女。

 ……完全、好みド真ん中やった。

 オレは一瞬で恋に落ちた。



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