leicht bitter~bitter sweet続編 side 健一~
話は尽きる事なく、子供時代の和紗の暴露話をするとホンマに嬉しそうに耳を傾けるマコトさんは、確かに父親の表情をしてる。
こいつがもし、マコトさんに育てられてたら、今とは真逆な性格になってたんかな……って、想像つかへんし。
男同士で酌み交わす酒の楽しさに時間を忘れそうになり、明日もバイトのあるオレを気遣って、お開きになった。
約一名、「泊まってったらエエやん」と無責任発言を放つ酔っ払いを二人して無視をし、マコトさんに玄関まで見送ってもらう。
「今日は突然押しかけてすんませんでした」
「いや、和紗がどんな子供だったか教えてもらえて楽しかったよ。また聞かせてくれたら嬉しいね」
「こんな話で良かったらいつでも寄らしてもらいます」
そういってオレはマコトさんに向かって丁寧に頭を下げた。
玄関のドアを開けると、ひんやりした冬の風がアルコールで火照った頬を撫ぜていく。
……可愛い彼女に夢の実現への第一歩、か。
一瞬、心がちり、と音を立てた。――それは、オレ自身自覚出来ん程の微かな音やった。
こいつがもし、マコトさんに育てられてたら、今とは真逆な性格になってたんかな……って、想像つかへんし。
男同士で酌み交わす酒の楽しさに時間を忘れそうになり、明日もバイトのあるオレを気遣って、お開きになった。
約一名、「泊まってったらエエやん」と無責任発言を放つ酔っ払いを二人して無視をし、マコトさんに玄関まで見送ってもらう。
「今日は突然押しかけてすんませんでした」
「いや、和紗がどんな子供だったか教えてもらえて楽しかったよ。また聞かせてくれたら嬉しいね」
「こんな話で良かったらいつでも寄らしてもらいます」
そういってオレはマコトさんに向かって丁寧に頭を下げた。
玄関のドアを開けると、ひんやりした冬の風がアルコールで火照った頬を撫ぜていく。
……可愛い彼女に夢の実現への第一歩、か。
一瞬、心がちり、と音を立てた。――それは、オレ自身自覚出来ん程の微かな音やった。