leicht bitter~bitter sweet続編 side 健一~
Ⅲ.Eifersucht ~彼女の恋人~
――……翌日のバイトあがり、昨日のドタキャンのお詫びに奢る、と言う唯に一軒のファミレスへ連れて来られた。
「だからね、かずさくんがゆきなの王子様だったって話だったのよッ!」
そして、延々と和紗とゆきなちゃんとの馴れ初めを聞かされ続けてるんやけど、素直に聞けるわけあらへん。
「……そやからゆきなちゃんを諦め、ゆーんか?」
「べ、別にそういうつもりじゃ……」
「そうとしか聞こえへんっちゅーねん。それに……簡単に人との約束破りやがって」
バイト中もそやったけど、オレは今日一回も唯と目を合わせてない。
怒ってんのはもちろんやけど、期待しとった分裏切られた気分で自分でも行き場のない感情を持て余しとった。
「……だって、ゆきなはあたしの親友だもん……。親友の幸せを願うのは当然じゃない……」