leicht bitter~bitter sweet続編 side 健一~
「健ちゃん!」

 懐かしい呼ばれ方に無意識に振り向くと、目の前にいた人物に思わず息を飲んだ。

「……ゆッ!?」

 ゆきなちゃん……と和紗。

「良かった~、健ちゃんおってくれてッ」

 屈託ない笑顔を向ける和紗。驚いたオレには気付いてない。

「ねぇ和紗、この人が“健一”くん?」

「――!!」

 ……心臓が口から飛び出るかと思った。ゆきなちゃんの声が至近距離で聞こえただけやなく、オレの名前を呼んでいる。

「うんそうッ。こいつが昨日話してた俺の幼馴染みの小野健一。健ちゃん健ちゃんッ! コレな、雪和(ゆきな)って言うねん」

 そう言って和紗がゆきなちゃんを指差す。

「何よ“コレ”って。人を物みたいに言わんといてよねッ! はじめまして、瀬戸雪和です」

「あ……はじっ、はじめましてッ!! お、小野ですッ」




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