leicht bitter~bitter sweet続編 side 健一~
 激しい自己嫌悪と間断なく続く鈍痛で机に突っ伏していると、「大丈夫?」と唯の声が聞こえた。入れ替わりに店長が店内へと消えていく。

「ゆきな達、帰ったわよ。で、コレ、あなたにってかずさくんから」

 突っ伏したまま目線だけ上にあげると、一枚のMDを差し出されてるんが確認出来る。

「……MD?」

「心配してたわよ、2人とも」

 体を起こしMDを受け取ると、かたん、と唯がオレの前の椅子に腰掛ける。

「……何があったの?」

「何……って?」

「いつもの小野くんらしくないじゃない。遅刻してきたり、突然声を荒げたりだなんて」

「…………」

「……ねぇ、もしかして昨日、行ったの?」

 ……相変わらず勘のエエ女やな。オレは、無言で頭を下げて頷いた。

「そっか……。ね、なんか欲しい物ある?」

 唯はそれ以上聞かんかった。二日酔いで食欲がない、と唯に告げると「ちょっと待っててくれる?」とどっかへ出掛けて行った。





< 40 / 109 >

この作品をシェア

pagetop