leicht bitter~bitter sweet続編 side 健一~
Ⅵ.Die frische Welt~ 新しい日々の始まり~
「失礼します」
事務所に入ったオレの目に最初に飛び込んで来たのはさっき店長と話してたスーツ姿の女。
オレと視線が合うとゆっくり立上がり会釈する。
オレもつられて軽く頭を下げる。
「小野くん。急な頼みで悪いんだけど、あの男の子に連絡取れるかな?」
「あの男の子?」
店長に勧められた椅子に腰掛け、「ほら、いま店でたまに流してる曲作った……」と話す店長の説明に、漸く和紗の事を言ってるんやと気付いた。
「あぁ、はい。携帯知ってますし、連絡出来ますけど?」
「電話してみてもらえるかな。今すぐ」
……今? 全く何が起こってるのか納得出来ひんまま、エプロンのポケットから携帯を取り出して和紗の番号を呼び出す。
しばらくコール音が続いたと思うと、酷く無機質な音声が留守電に切り替わる案内を告げる。
バイト中かもしれんな……。そう店長に伝えようと口を開き掛けた時、携帯の着信音が鳴った。
事務所に入ったオレの目に最初に飛び込んで来たのはさっき店長と話してたスーツ姿の女。
オレと視線が合うとゆっくり立上がり会釈する。
オレもつられて軽く頭を下げる。
「小野くん。急な頼みで悪いんだけど、あの男の子に連絡取れるかな?」
「あの男の子?」
店長に勧められた椅子に腰掛け、「ほら、いま店でたまに流してる曲作った……」と話す店長の説明に、漸く和紗の事を言ってるんやと気付いた。
「あぁ、はい。携帯知ってますし、連絡出来ますけど?」
「電話してみてもらえるかな。今すぐ」
……今? 全く何が起こってるのか納得出来ひんまま、エプロンのポケットから携帯を取り出して和紗の番号を呼び出す。
しばらくコール音が続いたと思うと、酷く無機質な音声が留守電に切り替わる案内を告げる。
バイト中かもしれんな……。そう店長に伝えようと口を開き掛けた時、携帯の着信音が鳴った。