leicht bitter~bitter sweet続編 side 健一~
 携帯は店長の手の中にあるし。このまま所在無く突っ立ってんのも変な話やし。

 一頻(ひとしき)り考えた挙句、まずオレは手近な椅子に腰掛けた。そして店長の話に聞き耳をたてて、状況判断をしようと決めた。

「もしもし、CDショップ“ポーラスター”の…………ああ、うんそうそう。今からこっちに来れるかな? ……え、うん。実は今ね、ラジオ局の広報さんがみえててね…………」

 ラジオ? 今ラジオって言うた? その広報が和紗に何の用なんや?

「君の曲を番組で取り上げたいって仰しゃってるんだけど、どう? 良いかな?」

 ああ、番組で曲を取り上げたいのんか。それなら納得…………って。

「え、ええええッ!?」

 オレの頭に浮かんだ疑問符は、店長のセリフにより、消え去った。が、それと同時にあまりにも思いがけない情報に、オレは驚愕の声をあげていた。




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