恋愛中!!! ㊤巻
「先輩っ!!今っ、今のって…」



「あっ!!今のナシ!!絶対ナシ!!ナシナシ!!」



真っ赤に頬を染める彼女を目の前に、毎度の如くジワジワと羞恥の波が押し寄せてくる。



「違う!違う!」と、顔の前で必死に両手と首をふる姿は間違いなくヘタレ全開。



海斗君。覚醒モード終了。



残念。いつもの俺に元通りだ。



「せーんぱい?」



「うっ…」



と、同時に、もちろん彼女も元通り。



「ナシになんてさせません!!come again?」



「ノォォー!!!無理デス!!無理に決まってマス!!もう言えません!!」



「へぇ…そんなこと言っちゃうんですか。」



「うっ。…こっ、怖い。芽依子…サン。怖…い。」



「本当の恐怖…そんなに味見したいですか?」



「………ノーマルので充分デス。ボク、お腹イッパイ…。」



「それは残念です。」



真っ赤だった頬は、いつも通りの薄いピンク色。



口元にはいつも通りの悪戯な笑み。



「ってか、芽依子サン発音良すぎだから!!ビックリしちゃったから!!」



「あー…実はあたし、英語得意なんです。ってか、成績、かなり優秀なんです。万年追試の先輩と違って。」



「うっ…」



「ほんと、そんな成績でよく生徒会長になれましたね。みんな絶対騙されてますよ。“朝比奈 海斗”なんて、いかにも頭良さげな響きの名前に。」



「………」



毒舌も絶好調だ。

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