恋愛中!!! ㊤巻
「ちょっ、芽依子サン!!言い過ぎじゃ…」



「先輩は黙っててください」



「………ハイ」



「わかればいいんです。で、なんでしたっけ?」



「あの…芽依子ちゃ…」



「あっ、そうだ」



突然、バンッとテーブルを叩いた芽依子ちゃん。



「あの…」



「淳センパイ」



「はっ、はい!!」



振動で緑茶が零れたのもお構いなし。ひとつ息をついた彼女は、柄にもなくピンと背筋を伸ばした俺を真剣に見つめると、再び口を開いた。



「メール、メール、メール。もとはと言えば淳先輩がメールばっかり…スマホばっかりに頼ってきたからこんなことになったんでしょ?」



「あー…」



「まぁまだライン使ってないとこ“だけ”は褒めてあげます。彼女だけ…ってのに特別感があるとこ“だけ”には好感が持てます」



「“だけ”って…」



「でも、それだけです。そんなの振られて当たり前。自業自得ってヤツです」



目の前の芽依子ちゃんが怖いのは、きっと気のせいじゃない…はず。



芽依子ちゃんの隣に座る海くんの口元がヒクついてる。



もちろん俺の口元も間違いなくヒクついているであろう。



でもこんなのはまだ序の口。



「てか実はあたし、淳先輩と梨花先輩のこと…別れたってこと、ここに来る前から知ってました」



「え?」



「昨日、お姉ちゃん訪ねて梨花先輩家に来て…あたし、実はイロイロ知ってるんです」



「えっ…」



彼女の一言に、俺は恐怖を通り越して固まってしまった。

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