恋愛中!!! ㊤巻
海斗くんも健太くんも相変わらずだなぁ…



って、和んでる場合じゃない!!



なに?生徒会で一体何するつもり?



そう思ってるのはきっとあたしだけじゃない…はず。



ポカンとしたまま、誰一人動くことなくスピーカーを見つめてる。



もちろんあたしもその中の一人。



『ちょっ、どーしよー!!ケンちゃん!!』



『んなもん知るかっ!!元はといえばテメェが出しゃばるから…放送は王子一人でするはずだったのに…』



『だって!!』



『ちょっ、だから2人とも落ち着きなってっ!!あっくん、なんとかしてぇぇー!!』



『あー…えと……皆サマ。お見苦しい放送事故を起こしてしまい、本当に申し訳ございません。あの…えっと……とりあえず、中庭に集合してください。……以上!!生徒会からのお知らせでした!!』



「あっ…」



でも瞬間、あたしの心臓はドキンと大きく高鳴った。



今のって…。



久しぶりに聞いた淳の声。



ブチンとマイクの切れる音ともに消えてしまったけど、あたしの頭の中でその声はこだまする。



「ねぇ、梨花。どうする?」



「………」



「ねぇ、梨…ちょっ、どこ行くの!!」



瞬間、あたしは教室から飛び出した。

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