恋愛中!!! ㊤巻
これは…一体なんなんだ?ってか、梨花、怒ってねーの?



俯いててその表情は分からないが、俺を叩く手に力は入ってない。いや、むしろ2人っきりでじゃれてる時そのもの。



「バカ!淳のバカ!」



「ちょっ、梨花?」



「バカ!バカバカ!」



「えと、梨花、ちゃん?」



俺は叩き続ける梨花の右手を優しく包み込むように握ると、俯く梨花の顔を覗き込んだ。



「……梨花。」



「バカ。」



瞬間、俺の目に飛び込んできたのは、ぷぅっと頬を膨らましたままキッと俺を睨み付けてくる梨花。



でもその頬は真っ赤で、おまけに瞳にはうっすらと涙まで浮かべてて、迫力の欠片もない。



「梨花。」



「離して。」



「やだ。」



「………。」



抵抗しないのをいいことに、再び、ギュッと抱き締めた俺は梨花の肩口に顔を埋めた。



「梨花。好き。大好き。もう一度俺の彼女になってください。」



「…んっ。」



そしていつもより熱い首筋に唇を寄せると、チュッと軽く吸い付いた。

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