氷姫に騎士を
『レグザ。お前の口の悪さでは騎士など、夢のまた夢じゃぞ』
剣技や騎士のことを教えてくれた師の言葉が過ぎる。
舌打ち程度、なんとかなるだろう。
それにしても…リリア姫って………
「……っっ!!」
相手が俺の利き腕に刃をたてる。
おかげで、利き腕には激痛が走り、剣を持つのも少し痺れる。
隙を見せた俺の失態だ。
だけど、リリア姫には触れさせない…っ!
再び剣を奮うと、その度に傷口から血が出る感覚がする。
後ろにいるリリア姫は驚き、戸惑ってるようにも感じ…
はやく、終わらせるべきだと思った。
「………レ、グザ?」
か細い声がした。
氷姫と言われようが、何と言われようが後ろに居るのは16の女なのだ。
戦闘に、血に慣れてはいない。
声に不安の色が濃く紛れている。
そんな中、俺は四対一の危機状況で目をつぶった。
俺の一番得意とする剣技“透視”
…風の音
…草木の音
そして…殺気。
目をつぶれば、手にとるように全てがよくわかる。
ザクッッッ!!!!!!!!