絆~心に愛が咲く時~
深呼吸を一回。
―――――よし 落ち着いた
「紺野?」
身動き一つしないあたしを心配してか呼び掛ける。
落ち着いたあたしは後ろを振り返り背後にいた男を見た。
あたしよりも頭二つ分くらいの高さの身長で髪は健康そうな黒髪。
上下黒のジャージを着ている。
顔はカッコイイかブサイクかって聞かれたら…至って普通。
でも 親しみやすく男女共に人気がある。
そんな皆から好かれている人気者のこいつ【中山 京介‐なかやま きょうすけ‐】23歳
「ともかく 紺野
貴重な放課後の時間つぶされたくないなら部屋ん中入れ
早くこんな教師から開放されて帰りたいなら尚更」
はあっと溜め息を溢すと先に中へと入っていった中山。
中山のガッシリとした広い背中を眺めながら思うことは一つ
あたしはこいつが嫌いだ
裏表のない性格で男女分け隔てなく人気があり、誰にでも優しい―――こいつが、
大っ嫌いだ