絆~心に愛が咲く時~
 

深呼吸を一回。

―――――よし 落ち着いた


「紺野?」


身動き一つしないあたしを心配してか呼び掛ける。


落ち着いたあたしは後ろを振り返り背後にいた男を見た。

あたしよりも頭二つ分くらいの高さの身長で髪は健康そうな黒髪。
上下黒のジャージを着ている。

顔はカッコイイかブサイクかって聞かれたら…至って普通。
でも 親しみやすく男女共に人気がある。



そんな皆から好かれている人気者のこいつ【中山 京介‐なかやま きょうすけ‐】23歳



「ともかく 紺野
貴重な放課後の時間つぶされたくないなら部屋ん中入れ
早くこんな教師から開放されて帰りたいなら尚更」


はあっと溜め息を溢すと先に中へと入っていった中山。

中山のガッシリとした広い背中を眺めながら思うことは一つ


    あたしはこいつが嫌いだ



裏表のない性格で男女分け隔てなく人気があり、誰にでも優しい―――こいつが、


       大っ嫌いだ


 
< 4 / 7 >

この作品をシェア

pagetop