お兄ちゃんです。

見上げると坂の上に瀬田くんがいた。

「やっぱり瀬田くんだ!!!」


一気にスピードをあげる。

瀬田くんは某少女マンガのイケメン、
かぜやくんを実写化したような男の子。
それゆえに学校中にファンがいる。
あたしは奇跡的に同じクラスになれて、
こうして話せる間柄になれたのだ。



よろよろしながらやっとの思いで瀬田くんの所に到着した。


ぜーぜーはーはー息が止まらない!!
あたしキモい!!


瀬田くんはきらきらした笑顔で

「おはよ!」

と言った。

「お、おはよ〜」

あぁもう!!あたしキモすぎ・・・
一気に坂を上がったせいで、
足はがたがただし
息は荒いし
髪はぼさぼさだし
なにより顔が悲惨だ。


せっかく瀬田くんに会えたのに・・・


「大丈夫か?なんかすごいぞ」

ははは。と瀬田くんがきらきら笑った。

「あ、大丈夫・・・あはは」


さ、最悪だ・・・
なんかすごいぞって、あたしそんなに酷いのかな
もう恥ずかしい・・・




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