お兄ちゃんです。

「ゆうひ?なんか疲れてる??」

「んー?ちょっとね」

「なぁによー言いなさいよー」


思わずみちを見つめる。
みちはにこっと笑って、あたしの視線を受け止めてくれた。


なんでわかるんだろう。
ま、たぶんこの疲れは瀬田くんのせいだけど。(笑)


「あのね・・昨日・・・」

「うん」


お兄ちゃんが・・・
と言いかけて飲み込んだ。
なぜか言い出せない。
なんか言いたくない。


お兄ちゃんがきた、
なんて言いたくない。
それじゃあ認めちゃったみたいじゃん。
そんなのやだ。


急に黙ったのが心配になったのか、
みちが顔を覗きこんできた。
それを振り払うように視線を反らす。


「昨日、ね。安売りしてたんだ。」

「安売り??あぁ!あそこのスーパーね。うちのお母さんも騒いでたなぁ」


ひょいっとみちが前を向いた。
それから派手に高笑いをした。

あたしもなるべく大きく笑った。


まだ、待ってて。
いつか絶対話すから。

みちにはちゃんと話すから。

待っててね。


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