お兄ちゃんです。
「そうだよね。ゆうちゃんももう大人だもんね。」
─────大人・・・・。
あの勝手な大人に、あたしもなっていたのかな。
まだ子供だと思ってたのに、
お母さんはあたしを大人として見てるのかな。
お母さんが遠くかんじる。
通じない。伝わらない。
いつのまにかお母さんと繋がりにくくなってしまったみたいだ。
なんでもわかってくれてると思ってたけど、
きっと違ったんだ。
「カレー出来たよー!!」
遠くからあさひさんの声がする。
お母さんがまたふんわり笑った。
「出来たって!」
そして嬉しそうに部屋を出ていった。
あたしは・・・・
大人、なんだ。