お兄ちゃんです。
「もしかして・・・あたしのせい、ですか?」
「え??」
「あ、あたしが・・あさひさんのカレー食べなかったから・・あさひさんを避けてるから・・あさひさんをお兄ちゃんと思いたくないから」
ぽたっと冷たいなにかが服に染み付いた。
泣いてる、のかな。あたし。
カッコ悪い・・・。
「そう・・ですよね」
突然目の前が真っ暗になる。
気がつくとあたしはあさひさんに抱き締められていた。
胸の内から感情がどっと溢れだしてきて、涙が止まらなくなる。 意味もよくわからずに泣きじゃくった。
「カレーを食べてくれなかったのは、ちょっとショックだった」
返事をしようとしても、うまくしゃべれずにしゃくりあげてしまった。
「でも・・・・」
抱き締められている腕がぎゅっときつくなった。
「受け入れられない気持ち、わかるから・・」
また腕が緩められる。
「ゆうちゃん。俺の話、聞いてくれる?」
返事の代わりに大きくうなずいてみせた。
「ありがとう、ゆうちゃん。」
どうしてあさひさんは、
こんなにもあたしの名前を呼ぶんだろう・・・・。