お兄ちゃんです。

あさひさん・・・・。

「ゆうちゃんはてっきり俺のこと知ってると思ってたよ。こんなにも拒絶されるとは予想外だったな!」

あはは、と大きく笑った。
でも目が笑ってない。
ちゃんと笑えてないよ、あさひさん。

「お母さんがゆうちゃんをびっくりさせたくって、内緒にしてたっての聞いてさ、ドキドキしてたのが更にドキドキになって緊張したよ〜」


あさひさん・・・

あさひさん・・・・・



「・・・ごめんなさい」

「ゆうちゃん??」

「あたし・・・自分のことばっかり考えてて・・あさひさんの気持ち、全然考えてなかった」

「いいよ、そんなの」

「あさひさん・・・」

「ん??」

「これから・・あさひさんじゃなくって・・あさひくんって・・呼んでいいで・・いい??」

今度はあたしからまっすぐに視線を送った。
あさひさんはふんわり笑顔で受け止めてくれた。


「やった。さんからくんに昇格だね」


まだちょっと信じらんないし、
お兄ちゃんとは呼べないけど。
ちょっとずつちょっとずつ
受け入れていこうと思う。

きっとお母さんもあさひさ・・
あさひくんも、
わかってくれるはずだから。



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