お兄ちゃんです。
聞きたいことはいっぱいあるのに、
あたしはエコバッグを握りしめたまま立ち尽くしたままだ。
誰、なんだろう。
見たところ、その男性は大学生くらいに見える。
若くてなんかかっこいい。
爽やかイケメンだ。
──────まさか・・・
お父さん、なんて言い出すんじゃないよね?
お母さんは確かに若く見えるけど、
もう35歳だし!!!
そろそろいい歳だし!!!
ん?まだ若いっちゃ若いか
いやいやいやいやいやいや!!!
お母さんはスナックのママなんだけど、
だからってこれって、あり!?
頭の中にぐるぐるぐると言葉が回り出す。
パンクしそうだ。
あっはははパンクしちゃうよ。
あっはははははry
「ゆうちゃん?大丈夫?どしたのぅ?」
お母さんの甘ったるい声で
我に返った。
「あ、いや・・・その・・どちら様?」
ごにょごにょと口ごもる。
なんだかすっごく気まずい。
なるべく男性を見ないようにしたい、
が、なんでか目がいってしまう。
男性はふんわりした笑顔をしている。
本当にふんわりしてる。
綿あめみたいだ。
この笑い方、お母さんに似てる気がする・・・
ってなんでやねええん!!!
ちょwwwwまwwww
「この人はね〜、ゆうちゃんの〜・・」
ゆうちゃんの・・・・??
ごくり、と喉がなる。
やめて。
お父さんなんて、聞きたくないよ。