お兄ちゃんです。

聞きたいことはいっぱいあるのに、
あたしはエコバッグを握りしめたまま立ち尽くしたままだ。



誰、なんだろう。

見たところ、その男性は大学生くらいに見える。
若くてなんかかっこいい。
爽やかイケメンだ。





──────まさか・・・

お父さん、なんて言い出すんじゃないよね?

お母さんは確かに若く見えるけど、
もう35歳だし!!!
そろそろいい歳だし!!!
ん?まだ若いっちゃ若いか
いやいやいやいやいやいや!!!
お母さんはスナックのママなんだけど、
だからってこれって、あり!?


頭の中にぐるぐるぐると言葉が回り出す。
パンクしそうだ。
あっはははパンクしちゃうよ。
あっはははははry




「ゆうちゃん?大丈夫?どしたのぅ?」

お母さんの甘ったるい声で
我に返った。


「あ、いや・・・その・・どちら様?」


ごにょごにょと口ごもる。
なんだかすっごく気まずい。
なるべく男性を見ないようにしたい、
が、なんでか目がいってしまう。

男性はふんわりした笑顔をしている。
本当にふんわりしてる。
綿あめみたいだ。
この笑い方、お母さんに似てる気がする・・・
ってなんでやねええん!!!
ちょwwwwまwwww



「この人はね〜、ゆうちゃんの〜・・」



ゆうちゃんの・・・・??



ごくり、と喉がなる。


やめて。
お父さんなんて、聞きたくないよ。
< 3 / 82 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop