お兄ちゃんです。
結局、なにを作るかも決まらずに部活は終わった。
聖子ちゃんと幸子は寄るとこがあるらしく、二人でさっさと帰ってしまった。
偶然にもみちと二人きりになった。
今日なら話せる気がする。
あさひくんのこと。
門に向かって二人で歩く。
別に意味はないけど、二人とも黙って歩いていた。
話そうと息を吸った瞬間、ざわざわと一気に騒がしくなった。
ちらっと見ると、野球部の軍団がちょうど帰宅するとこだった。
ごちゃごちゃいる中に瀬田くんが見えた。
瀬田くんは野球部に入っている。
野球はよくわからないけど、瀬田くんはすっごく上手らしい。
去年の夏にみちとこっそり大会を見に行った時、
代打として瀬田くんはバッターボックスに立っていた。
みち曰く、1年で夏の大会に代打で出れるのはすごいことらしい。
まぁ確かにうちの野球部は意外と強い。
公立高校なのに昔、甲子園に出たとかなんとか言ってた。
そんな中で試合に出れる瀬田くんはすごいんだ!!
って、なんかすっごい語ってしまった。