お兄ちゃんです。
「うおーいっ!!瀬田ぁ!!なにセクハラしてんだよ!!」
「うおっ!!」
突然瀬田くんにでかい男の子がのし掛かってきた。
一気にバランスを崩して、二人して倒れこむ。
確か・・・この人、ドカベンって呼ばれてる人・・。
別に太ってはいない(がたいはすごくいいけど)けど、いつもお弁当がでかいからそう呼ばれている。
本名はたしか・・・。
「いってーな!!やめろよ、葉月!!」
「がはははは!!お前がセクハラすっからだ!!」
「し、してねーよ!!///」
「そうだ、葉月くんだ!!」
「え??あ、どうも。葉月です」
葉月くんが軽々と立ち上がり、あたしにぺこりと頭を下げた。
釣られてあたしも頭を下げた。
葉月くんはまた素早く頭を上げて、にかっと笑った。
大きい体に反してなんかかわいい笑顔だ。
犬みたい。
葉月くんがちらっとみちを見た。
「あ、野原しんのすけ」
「道野原ですけど」
がはは!!と葉月くんが笑った。
ご、豪快な笑い方。
「どっちも一緒じゃんか!!」
「一緒じゃないわ!!失礼な!!」
葉月くんはまだがはがはと笑っている。
みちは葉月くんをばしばし叩いていた。
あたしはそんな二人を見ながら笑っていた。
その時、
一瞬だけ瀬田くんと目が合った。
あたしは恥ずかしくてすぐに反らしてしまった。