お兄ちゃんです。

─────────


「ゆうひちゃん、進み具合はどうですか??」

聖子ちゃんは今日もかわいい。
制服をきちんと着ているのに、地味じゃない。
むしろ清純派アイドルみたい。
あたしも聖子ちゃんみたいに生まれたかった。

そんなことを考えていたら、
聖子ちゃんが心配そうな表情になった。


「ゆうひちゃん??」

「へ!?あ、え!?おはよう!!聖子ちゃんっ」

「お、おはようございます・・」

そんなに驚かせちゃったかな。
聖子ちゃんが固まっている。

「ごめん・・・大丈夫??」

「ゆうひちゃん、寝てないんじゃ・・・」

「え!?」

そういや昨日は結局オールした。
朝どうやって学校まで来たのか、よくわからない。
記憶がうすい。
やばいかなぁ。

「ちゃんと寝た方がいいです!健康第一ですから」

「うん、ありがとう。お守りもね、なんとかなりそうなの」

「よかったです。またなにかあったら言ってくださいね」

「うん!!」

「さ、そろそろ授業が始まります。いきましょう!!」

「次なんだっけ??」

「化学の実験です」

「うわぁ。実験か」

寝れないや。
正直眠くて倒れそう・・・・。
がたん、と椅子から立ち上がった。
その瞬間、体がふわりとした。

────あ、れ・・・。


視界がぐにゃりと歪む。
カラフルなモザイクみたいなものが見えた。

─────なん、だろ・・・。



どさっ


「ゆうひちゃん!?」

聖子ちゃんの悲鳴が聞こえる。
─────聖子ちゃん、どしたんだろ??


目の前が真っ暗になった。
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